また旅に出る
オンボロの軽に期待を詰め込み、
窓をあけ放ち、洗い立てのHanesを帆のように膨らまし、
田園の海原を前へ前へと進む。
色濃い夏が、むせるほどの夏が、
まだ人に触れられてない夏があるのではと、
ひた走り探し続ける。
やはり、旅は何よりも甘美だ。
買うと失う
あの揺れた日に、スーパーにいった。
いろんなものがなくなってた。
賢しい人さまは、他人を蹴散らしても生きていこうとする。
空腹と意地汚さ、どちらが怖いのか。
その時がきたとして、崩れゆく家に、流されゆく家に、食べ物をおいてどうするんだろうか。
死んだあいつの、最後の言葉は「ありがとう」だった
仲のいい、あいつが死んだ。
もう何年も、何十錠も薬を飲んでずっと入退院を繰り返してた。
どれだけ辛くても死ぬことは悪だ。
なぁ、そうだろ。
汚い命を抱えて、俺は生きる。
なつのあさは、どこにきせつがいるか、ふあんになります。
おのは、どこからきて、どこにいくんでしょうか。
たましいがにごると、わからなくなります。
すこしだけはやおきをして。
いつもより、ていねいにからだをごしごし。
わかきかみそりで、すべておとし。
それはきれいに、きれいに、みづくろいをする。
そうでもしないと、おのがきたないきが、してしまい。
かなしくなるのです。
それでも、なつのあさは、どこにきせつがいるか、ふあんになります。
M4.0
大きな揺れを感じたとき、彼女の身体をきつく抱きしめた。
あぁ、なんとも命は、弱い。