Youth man and the Sea

写真、フィルム、デジタル、音楽、それらの戯言

夏の夜に集る紙魚。

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涼しい風が頬を撫でる。

まるで少女のうなじのように、純白な風だ。

 

初夏はいつでも、新鮮であり、肉体と精神を若くしてくれる。

少年の額ような太陽に、初恋の恋文のような若々しい木々の葉。

 

ファインダーを覗き、さらにメガネを挟み、そして銀塩に焼き付ける。

そうでもしないと、俺は「若さ」を直視出来ないほど、年老いたのだ。

 

若さに、畏怖を感じる時がある。

河原で何をするわけでもなく、夜を待つカップル。

愛の永続性を、頭ではなく心で信じてる二人。

それを覗くと、老婆心ながら不安になる。

 

人生は有限である。

眠りは死の従兄弟であり、沈黙は死の息子だ。

夜を待つのではなく、迎えにいく。

そして、多くの人と、多くを語らう。

 

夏の夜は息が長く、まるでバードマンのカメラワークのように、切れ間なく続く。

白いヘインズが汗を吸い、草臥れるまで遠回りをして進もう。